ゲームニクスこそ日本を救うヤバ解だ!(5)
さて、ゲームニクスについてはいよいよ最後です。
使いやすさを追求するゲームニクスという考え方。そしてこれまで日本はその考え方を重視してきませんでした。
そのため、たとえば携帯電話の開発においては、世界のなかでガラパゴス化していきました。スマートフォンこそ、ゲームニクスをもっとも体現したものだったからです。
ゲームニクスこそ日本を救うヤバ解だ!(4) - ファニじろうのヤバ解
いよいよ結論です。
では、このゲームニクスがなぜ日本を救うのでしょうか。
もちろん、この先の技術革新ですとか、日本の製造業の国際競争力ですとか、そのあたりのヒントになることは間違いありません。
実際にスマートフォンが誕生して12年、つぎつぎに新製品は発売されていますが、しだいに驚くような新機能は少なくなってきているように思いませんか?
カメラの性能ですとか、画面の大きさやデザイン、容量のアップなど、いわゆるスペックの進化になりつつあります。
つまり私たちの生活に革命をおこしたスマートフォンですら、もう円熟期にさしかかっているのかも知れないのですね。
ですので、もしここで大きな技術革新をおこすことができれば、日本にだってスマートフォンの進化形を誕生させることができるかも知れません。いまのスマートフォンを逆にガラパゴス化させてしまう可能性だってあるのです。
そのときは、きっとこのゲームニクスがカギになることでしょう。たぶん。
さて、このスマートフォンやタブレットですが、技術的には円熟期になったとはいえ、まだまだ様々な分野への活用が期待されています。
たとえば医療や介護などへの利用です。
日本の医療や介護の現場では、いろいろなやり取りに、まだ紙の書類がたくさん使われています。医療機器はどんどん進化していますが。
しかも、医療や介護の制度は数年ごとに改定され、つぎつぎにルールが変更になるのです。そのたびに必要な書類が変わったり増えたりしています。
医療や介護現場ではこうした書類が増え続けることが負担になり、改善をのぞむ声がつねにあがっています。しかもどこも人手不足でたいへんだ、というのはメディアでもよくとり上げられてますよね。
この困った状況を改善すべく、医療などの分野でもタブレットを利用して、事務作業を軽減しよう、ということを、国が推進しはじめました。
この動きがすすんでいけば、たとえば患者さんの病状などはデータベース化され、ちがうお医者さんにかかっても、すぐに過去の病気の記録にアクセスすることができます。
また、いろいろな書類もペーパーレス化して、申請もタブレットでスムーズに行うことができる、というもの。
こう聞くとなかなか良さそうですよね。
でも、待ってください。
それ、インターフェースとしては使いやすいんでしょうか。
つまり、誰でも直感的に操作できるゲームニクスの考えが反映されているんでしょうか。
実はもともと、スマホやタブレットを持ち出すまでもなく、パソコンをつかって事務作業を軽減する仕組みはありました。
ちょっとややこしい話なので、はしょってしまいますが、とにかく使いづらいというのが良く聞かれる感想でした。
そう。ほうっておくと、日本のシステムはとても使いづらいものが平気でまかり通ってしまい、それを使う人間がむりやり慣れるしかない、ということになってしまいがちなんです。
皆さんも、お仕事で使うパソコンなどのシステム……たとえば社内の精算システムとか、基幹システムとか、使いづらいな、と思った経験ってありませんか?
そして医療や介護にかぎらず、いまの日本は多くの業界で人手不足です。少子高齢化がすすむいま、この傾向はさらに深刻化していくでしょう。
AIの発展で、人手がいらなくなる、というのは幻想……とまではいいませんが、まだまだ先のことだと思います。まあ、しばらくはごくごく一部の職種に影響がでる程度でしょう。
そうなっていきますと、人手を確保するためには、主婦や高齢者といった方々に働いてもらわなくてはなりません。また外国人の労働者にもがんばっていただく必要がある。もちろん、その是非は別として、すでにそういう流れになっています。
さて、そうした方々は、さきほどのシステムをうまく使うことができるでしょうか。少々の不便には目をつぶり、とにかく慣れろ、という思想に根差したシステムを。
そう、ここでゲームニクスです。
誰でも直感的に操作できる、という思想です。
いまの日本は、残念ながら、というのが正しいのかわかりませんが、これまでの発展を維持しようとおもったら、たくさんの人が力をあわせなくてはなりません。
老若男女もそうですし、外国人だってそうです。
そのとき、ゲームニクスはきっと助けになるはずです。
ゲームニクスこそ、日本を救うヤバ解――ヤバイほどの最適解――になると信じています。
(了)