「脱ゆとり」と子どもの「不登校」「自殺」の関係 教育への暴論的ヤバ解(2)
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教育への暴論的ヤバ解 (1) 学校に部活って必要? - ファニじろうのヤバ解
夏休みの終わる9月1日(ことし2019年は1日が日曜だったので2日からでしたけど)に、子どもの自殺者が一気に増える、といいます。
実際に内閣府が調査したところ、過去をみても突出しています。下のグラフは過去40年間を内閣府が調べた結果です。
「死ぬくらいなら、学校を休みなさい」
「学校以外の居場所が必要」
という話がネットのみならず、メディアなどでも言われていましたね。
たしかに自ら命を絶つくらいなら、学校なんていくことはありません。まったくそのとおりです。完全に同意します。
でも、ちょっと待ってください。
学校を休むとか、学校以外の居場所が必要、も大切です。ですが、そもそも、そこまで子どもを追い込まないようにする対策が必要ではありませんか?
子どもを追い込む……という点で、ちょっと気になっていることがありました。
わが子の学校でも多い不登校。そして大量の宿題。
私にも子どもが3人います。
子どもたちの話を聞いていると、学校に行けない、いわゆる不登校の子が多いというのです(それぞれ学年に2~4人)。きっと、全国にはもっと多い学校もあるはずですよね。
……わたしが子どもの頃はそんなにいなかったように思います。まあ、田舎だったから、とか、わたしが鈍感だったから気づかなかった、ということもあるんでしょうけど。
やっぱりこれは気にかかります。
もうひとつ気になっているのは、娘たちが大量に出される宿題に、まいにちヒーヒー言っていることです。
「脱ゆとり教育」になったことで、宿題がバンバン出るのです。
夏休みの宿題だって、まいにちやらないとまったく終わらない量を出されているようでした。
「こんなことなら、夏休みなんてないほうがいい」
ある日、ついに娘がネをあげました。
楽しいはずの夏休み。
子どもたちにこんなことを言わせていいのでしょうか!?
夏休みは一生の思い出、ステキなものだったはずじゃありませんか!?
さすがに私は怒りがこみ上げてきました。
いかに「脱ゆとり」とはいえ、あまりにも子供にプレッシャーをかけすぎです。
こんなプレッシャーに、よく子どもたちは耐えているものだ、と憤然としました。
いや、耐えられているんでしょうか。
その弊害がどこかに表れてやしないでしょうか。
そして、ひょっとしたらこのハイプレッシャーな状況が、不登校などと関係があるのでは、と思ったのです。さらに「自殺」とも関係があったら……。
ということで調べてみました。
「脱ゆとり教育」と「不登校」「自殺者」の関係
まず「脱ゆとり教育」がはじまったのが2011年。
これまでの「ゆとり教育」のために子どもの学力が低下したとのことで、それはいかん、となっていきなり180度ガラっと転換しました。
それまで文字通り「ゆとり」をもって教えられていた内容や量は、この「脱ゆとり」で増えることになったのです。
さて、私の子どもたちから聞いた不登校の話。
以下のグラフを見ても、やはり全国的に増えていることが分かります。
青い棒グラフが小学生と中学生の合計の人数です。
で、オレンジの折れ線が不登校の子たちが占める率。
青の棒グラフで子どもの数が年々減っているのが分かると思います。2017年にはもう1,000万人を切って980万人になっています。
それにも関わらず、その子どもたちの数に占める不登校の子の比率は上がっています。
不登校の子の「人数」じゃありません、「率」が上がっているのです。
私が子どもだった1991年から、2017年には不登校率が3倍にもなっています。やっぱり私の感覚のとおりだったんですね。
つぎに子どもの自殺数をみてみましょう。
上のグラフは小学生と中学生の自殺者数を合算した推移です。(なぜか1999年以前の子ども自殺数が見つけられませんでした)
こちらも非常に残念なことに、近年増加傾向にあります。
で、ふたつのグラフを重ねてみるとどうなるか。
手作りのグラフですので見づらくて恐縮です。
どうでしょう、不登校も自殺も、おなじように2013年、2014年あたりから上昇していませんか。
2011年から「脱ゆとり教育」がはじまっているので、中学生などはちょうどすべての学年に「脱ゆとり」がいきわたったくらいですね。
あくまで仮説だけど……
もちろん 「ゆとり教育」のさなかでも、不登校や自殺がなかったわけではありません。しかし、データでみるに、明らかに「脱ゆとり」がはじまってから不登校も自殺も上昇しています。
もちろん、データを見ただけでは、ただちに断言はできません。
それでも、わたしは関連があると確信しています。
次回以降で「脱ゆとり」が生み出したプレッシャーが「不登校」や「自殺」に関連している、というところを掘り下げてみたいと思います。