ファニじろうのヤバ解

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いまさら『君の名は。』について書いてみた

こんばんは。ファニじろうです。

 

2019年6月30日に新海誠監督の「君の名は。」が新作のプロモーションとして2回目の地上波放送がありました。

 

その直後から、ネットなどでいろいろな意見がでているようなので、激しくいまさらなんですが、わたしもちょっと私見をのべさせていただきたいと思います。

 

もし、ネタバレが嫌な方は、お読みにならないでください。

  

そして、先に結論を書きますので、それをみて嫌だな、という方も、やっぱりその先はお読みにならないでください。

 

君の名は。

 

はい、ではいきなり結論です。

君の名は。』は、

 

新海作品における「救い」 

  

だと思います。 

どうでしょう、この先を読みますか?(笑)

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はい、踏みとどまっていただき、ありがとうございます。

小心者なので、嫌われるのがいやなのです(笑)。まあ、ほとんど読まれないだろうから関係ないか(;^ω^)

 

 

まずは新海作品について。

みなさんは、新海誠監督をいつ知りましたでしょうか?

たぶん、この『君の名は。』ではじめて知ったという方がほとんどなんじゃないでしょうか。

 

実際に大ヒットしましたし、ブームと言ってもいいくらいでしたよね。

ただ、当時のテレビのエンタメ番組の紹介は

・高校生の男女が入れ替わる

・すごくリアルで美しい映像

神木隆之介ほか有名俳優が声優として出演

というようなものだったんじゃないでしょうか。ほかにはRADWIMPSが主題歌、くらいだったかも知れません。

 

ちなみに、わたしはこうした情報をテレビでみても、この映画がヒットするとは、とても思えませんでした。

 

なぜか。

新海作品には、美しい映像の裏に、あるふたつのマイナスの要素があるからです。

 

新海作品のマイナス要素のまずひとつめ。

「ストーリーがない」

ほかの新海作品をみたことがある方はわかると思いますが、映像がきれいなだけで、基本的に話はほぼ面白くありません(笑)。

 

たとえば『星を追うこども』ですが、これも6月30日に『君の名は。』が放送されるまえに深夜の地上波でやってましたよね。

星を追う子ども

これのストーリーは、ほぼどこかで見たことある話ばっかりです。はっきりいえばジブリですね(笑)。ジブリのいろいろな作品のシーンが寄せ集まっています。

それで面白ければいいんですが、単調というか、眠くなります。

  

皆さんも『君の名は。』以外の作品は、あまり知らないんじゃないでしょうか。

あれだけのヒット作を出した監督のほかの作品が知られていないのは、やっぱり一般には面白くなくて、話題になってないからだと思うんです。

 

でも、わたしはそういう方が好きなんですけどね(笑)。

新海監督の作品は抒情詩的な要素が強いので、好きな人にとっては凝ったストーリーはあんまり関係なかったりもします。

 

と、ここまで読んで、新海作品のファンの方なら、

「ストーリーがないだって?」

「あれがあるじゃないか、あれが!」

とお思いでしょう。

 

そうです。それがふたつめに出てきます。

 

新海作品のマイナス要素のふたつめ。

それは、

「人の心をえぐる残酷な表現」

です。

意外に思われるでしょうか?

でも、これはかなりマイルドに言ってるつもりです。

はっきり言って、死人が出てもおかしくないと思うくらいです。

 

どういうことでしょうか。

またジブリの話をしてしまいますが、皆さんは『耳をすませば』をみたことありますか?あのカントリーロードのやつです。

あのすがすがしい青春を見て、Twitterでは「見るのがつらい」という意見が散見されました。

 

しかし、それとは違う意味で、見るのがつらい作品が新海作品にはあるのです。

はい、お待たせしました。

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

 です。(これも深夜にやっていたみたいですね)

 

私はこれをはじめてみたあと、一週間、食事が喉をとおりませんでした。

ここではこの作品のストーリーについては書きませんが、本当にすさまじい作品だと思います。

完全にトラウマです。もう二度と見ることができません。

それぐらいの威力のある作品です。

 

しかしながら『秒速5センチメートル』をみた人の感想は、わたしと同じとは限りません。なぜなら、

つらい恋愛経験がある人ほどキツイ

であろうということ。

 

また、

圧倒的男視点

なのです。

 

つまり、いわゆるリア充や、一部の女性にはまったく響かない可能性があります。そればかりか、まったく意味がわからない、感情移入ができない、見ていてイライラする、といった感想になるかも知れません。(このあたりはぜひ女性の感想も聞きたいところです)

 

言い方をかえれば、

モテなくて暗いツライ片思いをした男

ほど心をえぐられてしまうのです。

私は、この作品が地上波で流れると知ったとき、本当に自殺者がでたらどうしようとさえ心配していました(;^ω^)

 

以上のふたつのマイナス要素において、『君の名は。』はヒットしないであろう、と思ったのです。むしろ、ヒットしないで欲しいとさえ思っていました。

ストーリーがないパターンなら問題ないのですが、心配なのは残酷なパターンのほうです。

 

しかし、意に反して映画は大ヒット。ロングラン上映となりました。

 

わたしは見るのが怖くて、劇場に見に行くことができませんでした。

さきほどの『星を追うこども』は問題なく映画館にみにいくことができたので、おそらく『君の名は。』には、なんらかの予感がはたらいていたんですね(笑)。

ある日、覚悟をきめてDVDを借りに行きました(;^ω^)

 

この『君の名は。』について考えたとき、『秒速5センチメートル』の存在は無視することはできません。ふたつの作品は、対になっていると言っていいのかも知れません。

この2作品を比較することで、結論に向かいたいと思います。

 

 

★ここから一部ネタバレがあります★

 

君の名は。』と『秒速5センチメートル』には共通点があります。

 

まず、ともに「遠く離れた男女の恋愛」であること。そしてともに「なかなか思いを伝えられない」こと。また「意思疎通しようとするツールがケータイ」であることなど。

おそらくこれは意図的なのではないかと思います。

 

つまり、共通点をおくことで、見ている者に無意識のうちに両作品のつながりを思い起こさせようとしたのではないでしょうか。

 

あと、どちらもストーリーがしっかりしています。これは新海作品のなかでは異色なんです(笑)。そしてそのストーリーもすばらしいですね。

美しい映像とすばらしいストーリーなのですから、見る者をひきつけてやみません。

 

一方で、違いもあります。

君の名は。』の瀧くんは、行動するのです。ここが大事なポイントです!

私は映画を見ながら、心から瀧くんを応援していました。夢中になっていました。

なぜなら彼の行動が『秒速5センチメートル』の主人公への答えのひとつだったからです。

もう、あんな思いはしたくないのです。

 

そしてラストシーン。

踏切が出てきたのは絶対にわざとです。トラウマが頭をよぎります。

 

秒速5センチメートル』と『君の名は。』では結末が逆です。

 

そう、そこでわたしたちはやっと救われたのです。

長い呪縛は解かれた、と。『秒速5センチメートル』で傷をおった

モテなくて暗いツライ片思いをした男たち

は思うわけです。

 

申し訳ありませんが、そこにはトレンディだとか、月9だとか、F1層だとかといった恋愛観とはまったく違う世界があるのです。

これが『君の名は。』です。

 

よくもまあ、ヒットしたものです(笑)。

 

ちなみに『秒速5センチメートル』をみることは、上記のとおりあんまりオススメしませんが、まだ『君の名は。』をみてない人がいたら、公開順に『秒速』を見て、すぐに『君の名は。』を見ることはおすすめします。

 

長文お読みいただきありがとうございました。